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15インチ鉄軌道を建設するには

1.用地
15インチ鉄軌道を建設するために必要な用地は、運行する車両の大きさによりますが700mm〜1200mm程度の幅が 必要です。修善寺『虹の郷』ロムニー鉄道のように幅1200mmもある車両を運行し、しかも安全上十分な余裕を確保する必要がある場合は、3メートル程度 は必要でしょう。実用目的に限定して考えれば、幅500mmのトロッコがぎりぎり走れる幅(600mm程度)があれば大丈夫です。
幅700mm×長さ1200mmのトロッコに約500kgのペイロードがあると推定すると、これを20両つなげば10トンの輸送が可能です。幅1メートル の用地で、実用的な輸送力を確保できるのは15インチ鉄軌道ならではと言えましょう。小型トラックが走行可能な道路を建設する場合、自然環境にストレスを 与えますが、幅1メートルの軌道による自然破壊や動物への脅威は小さいと言えます。また、トンネルや地下を通過せざるを得ない場合、建設費を押さえ、かつ 安全な輸送手段として適用可能です。
但しこれは自前で走行路を用意しなければならない場合の話で、一般道路を利用する限り15インチ鉄道に実用的メリットはないと言えます。

 
2.線路
15インチ鉄軌道の線路構造は、一般的な鉄道と変わりありません。軌条(レール)は15キロレール(15kg/m)〜6キロレール(6kg/m)が使われています。重い蒸気機関車や大型客車を運行する場合15キロレールが必要ですが、1トン未満の小型機関車を使用する場合 は6キロレールで十分です。シグナス森林鉄道や桜谷軽便鉄道は6キロレールを使用しています。軌条を手に入れることはなかなかむずかしく、専門商社に個人 交渉して頒けてもらうしかありません。
自重の軽い平トロ(ペイロード100kg程度)を手押しで使用する場合なら、L字鋼や木製レールでも大丈夫です。
最急曲線はシグナス・桜谷とも半径約3mで、小規模15インチ鉄道の標準と考えてよいでしょう。
15キロレール
6キロレール
写真左:15キロレールを使用し、枕木も頑丈な『虹の郷』の線路  写真右:6キロレールを使用した『桜谷軽便鉄道』の線路